おぼえておきたい

記憶力がないのでおぼえておきたいことを書いています。

BM40を組みました

自分が一番テンションが上がる配列はPlanckなので、この配列の別のキーボードを買ってみることにしました。

BM40とは

中国KPrepblicが販売する4x12のOrtholinearキーボードのPCBです。Orthoキーボードとして非常に有名なPlanckとほぼ同じ配列です。

基本的にPCBとスタビライザーのみで販売されており、組み立てるためには別途好みのケースとキースイッチ、キーキャップ、スイッチプレートを購入して組む必要があります。ホットスワップスケットが半田付け済なので、半田付け不要でスイッチをはめるだけでできます。

セールなどで価格が変動しますが、概ね$40程度で販売されています。

Poseidonとは

KPrepublicが販売するアルミニウム製キーボードケースのシリーズです。手前が低い傾斜がついた、重厚なフォルムのシリーズです。ケース単体の販売で、単体PCBとセットで使用します。

PSD40はそのうちBM40及びjj40用のモデルです。かなり色の展開が多くあるのも特徴だと思います。今回はベーシックなホワイトを選択しました。

価格は$50-60程度で、やや高めです。

ちなみに、PCB, ケース、プレート合わせて約$110で、ギリギリPlanck v7とプレート($129+$15)よりも安いくらいです。

構成

  • BM40
  • Poseidon PSD40 case
  • BM40 carbon fiber plate
  • Durock Black Lotus
  • XDA Mac keycaps

PCBの下に3mmのスポンジシートを敷き詰めたところホットスワップソケットと微妙に干渉してネジ締めに非常に苦戦したのでネジ周辺はうまく避けたほうがよさそうです。

ファームウェアはKPrepublic公式ページを参照して該当するBM40 V2のhexファイルをダウンロードしてQMK toolboxで書き込みます。左上のキーを押しっぱなしでケーブルを接続するとDFUモードに入れました。一度書き込めばVIAに対応します。

使ってみて

ほぼPlanckとして使えます。配列も同じにしているので当然ではあります。もちろん、とても良いです。論理JP配列です。

私は47キーで問題なく日本語も英語も入力できますが、Ortholinearは一般的なロウスタッガード配列とは根本的に異なりますし、横に並んでいるキーの数がかなり少ないため変態配列にせざるを得ません。ベストな配列は人によって異なるので試行錯誤しましょう。実際私も自分と同じ並びを見たことはありませんし、今の配列がベストとも思っていません。

Poseidonは非常に重量があるケースなのでPlanckに比べて安定感や響きにくさで優れています。デスクで使うなら高さ、傾斜含めてPoseidonが良いです。持ち運ぶならPlanckですが、軽さをとるとminipeg48という重さ半分の強いやつがいますね…

Planckが543g, Poseidon+BM40が793g, minipeg48が249gなので結構差があります。同じ配列でもキャラクターがあります。

 

使用したDurock Black Lotusは確かに滑らかで、重めのリニアとして優秀だと思うものの、軸が横に動くときに独特のカンカンという音が鳴る個体があり、それがちょっと気になる…全部じゃないんだよなぁ…

ステムがトップハウジングに当たって鳴るらしいのですが、これをいちいち直して使うくらいなら同じDurockのFull POM PianoやAlpaca、Vertexe V1でいいじゃんという気がしてしまうので悩ましいところ。

金型由来な気がするので、おそらくSea Glass, Ice Kingも同じだと予想されます。 

 

 

この記事はminipeg48+Kailh choc V1 red proとBM40+Poseidon+Durock Black Lotusで書きました。

Keychron Q9を気に入りました

キーボード熱が再燃したので、持っていないタイプのキーボードとしてKeychron Q9を買ってみました。

上がKeychron Q2, 下が今回のQ9

Keychron Q9とは

カスタムキーボードで有名になったKeychronが販売するガスケットマウントのフルメタルキーボードシリーズであるQシリーズの9番目、40%キーボードです。(52キーあるので40%の割にはキー多めですが)

Qシリーズはアルミの塊なので見た目の小ささに反してかなり重い(カスタムキーボードの世界では安定性を求めて重いほうが好まれます)、ガスケットマウント、南向きLEDなど高級仕様は大体備えており、価格に対して質感は良いです。

65%に当たるQ2からさらに数字行を削除したモデルで、キー数は52です。Q9 Plusとしてスプリットスペースバーを採用したモデルもあります。私が買ったのは一番安い無印Q9のロータリーエンコーダーなしのベアボーンです。

見るからに人気のないマイナー配列になっていて、KeychronではQシリーズ以外存在しない配列な上、オプションパーツが存在しなかったりします。むしろよくこんなの商品化したな、という感じです。

 

親指の役割を増やすことができるスプリットスペースが運指効率の面で優れているのはわかっているのですが、単に最も大きいキーである6.5Uスペースバーの華やかな見た目が好きなのでこのモデルにしています。気分が良い方が良い。

販路

Keychronはヨドバシカメラなどの日本の量販店でも入手可能になっているモデルもありますが、Q2は前述の通りマイナー機種なのでKeychron直販のみです。

Q9は作りの割に非常に安く、ベアボーンはセールも相まって$111、送料もDHLで$16、輸入消費税10%が課税されると考慮してもJPY21,000前後でだいぶ安いです。そもそも国内販路があるモデルでも直販から買ったほうがだいぶ安いので、多少英語を読めるなら輸入してみるのもよいです。

配列

Keychron Q2から一番上を削除しただけかな…と思いきや、実は微妙にアローキーが中央に寄って余白が狭くなっていたりします。

40%までくるとレイヤー機能を使うことが前提になります。会社支給のラップトップがJP配列固定のため、いつも通り物理ANSI配列で論理JP配列に近くなるように設定します。変態配列上等。

暫定でこのキーマップですが、Escを配置していないという凡ミスをしているのでやり直します。

一般的なテンキーレス配列から移行しようとした場合に壁になりそうなのは

  1. 数字行がない
  2. Backspaceがない

になるかなと思います。気合です。納得行くところに割り振りましょう。まだレイヤー余っていますし、感覚的には52キーあればむしろキーが余ります。

スイッチとキーキャップ

好きなのつけましょう。

今回はどっちも余り物で、

スイッチ:Alpaca

キーキャップ:XVX

です。Alpacaは本当に裏切らない優秀なリニアスイッチだと再認識しました。思いがけず気に入ってしまいました。

 

この記事はPlanck v6+Gateron Oil Kingで書きました。まだQ9は調整中です。

 

見た目だけでminipeg48を買いました

見た目が好き、それだけですが買ってみました。良いと思ったものがいつまでも売っている見込みなんてないので、買える時に。

アフィリエイトはありませんし、全て自分で買ったものです)

 

minipeg48とは

Chosfoxから販売されているKailh choc V1専用かつ狭ピッチのCFXプロファイル専用の4x12のortholinearキーボードです。説明を見るからにキワモノです。ただでさえキーが少なく非常に小さい形状な上にロープロファイルスイッチと狭ピッチでめちゃくちゃ小さいです。

カスタムキーボードとは言いつつも縛りが強くて自由度が非常に低いので悩んでいたのですが、やっぱり見た目が良すぎるので買っちゃいました。

Planckも愛用していますが、4x12 orthoはとても美しい配列だと思います。見た目だけは。

talpkeyboard.net

Chosfoxから直接購入($95)もできそうでしたが、TALPKEYBOARDさんが取り扱っている(JPY16,000税込 送料無料)上に、高いどころか却って安いので、「いいぞもっとやってくれ」というつもりで購入しました。CFXのキーキャップも扱ってくださっているのでありがたい。

talpkeyboard.net

ケース

厳密にはminipeg48のPCBはオープンソースらしいので、ケースこそがchosfoxの製品ですね。

箱の時点で冗談のように軽く、小さいです。普通のトレイマウントのアルマイト加工のケースです。加工がよく、とても美しいケースです。余白がほとんどないため、小ささが際立ちます。思想が強い。

17mmピッチなので一般的な19mmピッチよりも1割以上狭く、その分小さくなっています。

PCB裏になにもないので反響します。何か詰めるか…

注意点としてはスイッチプレートがないです。PCBに直接スイッチが乗るだけになるので、5ピンのスイッチでないと安定しないと思います。

完成時点でもたったの250g。

スイッチ

Kailh choc V1 Red Pro

前述の通りKailh choc V1専用です。choc V1はたぶん16種類ありますが、今回は王道であるKailh choc V1 Red Proを買いました。自分の好みがリニアであることはわかっていましたし、chocはトラベルが短くて実際の作動圧よりも重く感じるように自分は思えたので、軽めのRed Proです。

ややカサカサした印象があるスイッチですが、分解してルブするのはかなり難しいし、そもそもchocは選択肢がないのでひとまず妥協します。そんなに打ちやすい形もしていませんしね。

一番左の列だけスイッチの向きが上下逆なのと、スペースの位置に2Uを仕込む場合は上下が逆になります。

キーキャップ

Chocfox BoW Alpha

CFXプロファイルしか入らないので、ほとんど選択肢はないです。BoWか、WoBか、ブランクか、アクセントセット2色か、自作するかです。

個人的にはレジェンドの見た目が好きなので、今回はBoWを買いました。Planckに配列を揃えて、スペースだけ2つ分の横幅にするために1.75Uのブランクを買いました(このキーボードのピッチが狭すぎるせいで2Uだと入らないそうです)。

PBT製で、作りは良さそうです。印字も読みやすく美しいのでいいキャップだと思います。

1辺16.5mmの小さいキーキャップを使い17mmピッチで敷き詰めるのでかなり視覚的な特徴があります。ギチギチです。

ファームウェア

vialが使えるらしいのでやってみましょう。

今はminipeg48の設計者の方がvial対応のファームウェアgithubで公開してくださっているので、ダウンロードします。

https://github.com/ChrisChrisLoLo/bancouver40/tree/main/firmware

QMK toolboxでダウンロードしたhexファイルを指定してflashします。

書き込み終われば、VIALでキーマップを変更可能になります。

Home - Vial

キーマップ

vialは今回初めて使いましたが、JP配列に対応できたり、タップダンスなどの高度な機能も実現可能なので、慣れは必要ですが良いアプリケーションだと思いました。思想としてvial側にキーボードのデータをマージしないのが拡張性高くて良いですね。

基本的な使い方はVIAに倣うのでサリチル酸さんの記事を読めばわかるでしょう…

salicylic-acid3.hatenablog.com

実際にキーマップどうするかはもう少し試行錯誤します。

 

この記事はminipeg…ではなくPlanckとPreonicで書きました。まだキーマップが固まってないので…

OLKB Preonicを組み直しました

2022にOLKB Preonicを買ったわけですが、そこまでGateron Ink V2 Blackを好きになれなかったのもあり、組み直すことにしました。

ten-meteor.hatenablog.com

 

従来の構成

  • OLKB Preonic V3
  • Gateron Ink V2 Black, 一部Gateron G Pro Red
  • Epomaker XDA Dye-sub Dawn

新しい構成

  • OLKB Preonic V3
  • JWK V2 Black
  • VXV Horizon V2 Low Profile Double Shot keycap

スイッチ: JWK V2 Black

Durockブランドで有名なJwickの廉価ブランドのリニアスイッチ。国内でも比較的安価に入手可能ですし、Aliexpressなどを使えば更に安くできる可能性もあります。

かなり安いのでナメていたのですが、全然使えるスイッチでした。優等生なリニアスイッチの定番Alpacaを十分代替できる。結構好き。また買おう。

キーキャップ: XVX low profile

普通のCherry互換のキーキャップですが、とにかくペラペラで高さがない形状をしています。材質はPBTらしい。

これもAmazonで売っている有象無象だと思ってナメていたのですが、時々買わせて頂いているTALPKEYBOARDさんが取り上げていて、実際に仕入れた方が褒めていたので大ハズレではないだろうと思って買ってみました。

 

 

で、よかったです。めちゃくちゃ薄く、トップが広いのでミチミチに詰まったような特徴のある見た目になりますし、作り自体も問題があるようには感じませんでした。中国はシンプルに人口が多く、市場を期待できるのでGBのような形に頼らなくても作れちゃうということなのかもしれません。

Preonicはケースに傾斜がないのもありそもそも薄っぺらいキーボードなので、キーキャップが薄くなるとなおさら全体的にペラペラに感じられます。良い。

形状的に仕方がないですが、フルハイトのPBTのものと比較して高い音がします。コトコト低い音がするのが好みであればやめておきましょう。

 

この記事は新生Preonicで書きました。

2023年に買ったもの

2023年もウクライナ戦争は終わらず、イスラエル-パレスチナも開戦してしまったので昨年に引き続き戦争の年でした。一方でCOVIDの影響が薄まり、復興の年でもありました。

個人的には今年はAIの年であり、「知能とは何か」と問い続けた1年でした。

ベストバイ: RTX4090 (Gainward RTX4090 Phantom)

今年のベストバイは悩む余地なく4090。昨年RTX3080をベストのひとつに挙げておいてとは思いますが、これ以外にあり得ません(昨年RTX3080に対して「数年は戦える」とか言いましたが嘘でした)。

RTX4090がもたらしたもの

リアルタイムでAIの進化を体験することができました。

そもそも購入のきっかけは高速にStable Diffusionの画像生成をしたいことでした。2023/01に約¥265,000で購入しました。

2月にFlexgenが発表され、ローカルLLMという夢を見ることができるようになりました。ローカルで動くAIと会話する奇妙な体験をこの時点でできたことは代え難いことでした。

それからわずか2週間ほどでMetaからLLaMAがリリースされ、そこからローカルLLMの世界は急激に進んでいくことになります。わずか半年程度の間に信じられないほど多くのモデルが生まれ、GPTQやllama.cppなどの量子化・推論環境が開発されていきました。もはや年初とは別の世界のようです。

この日々世界が塗り替わる驚くべき世界をリアルタイムで試し体験できたのは、ひとえにRTX4090あってこそでした。VRAMが弱すぎるのでこの用途ではRTX4080はお話にならない。私はこの体験に値段はつけられないです。

(Stable Diffusionはfp16の論理性能に比例する傾向が強く、LLMはメモリ帯域に比例する傾向が強い、と理解しています。ゲームとは異なりCPUボトルネックが発生しないため、ほぼGPUの性能通りになります。RTX4080との性能差はどちらであっても30-50%ほどある上、VRAM不足はエラーなので代替できません。もちろん買えるならRTX6000 AdaやH100が圧倒的です。)

後述のROG AllyによってゲーミングPCとしての役割がほぼなくなってしまいましたが、それでもなおAI実行環境として替え難く、稼働率は高いままです。

入手性

2023/10ころから、RTX4090は品薄と価格高騰が起きています。中国のAI開発を脅威と見たUSの対中輸出規制により中国内で今後RTX4090が入手しづらくなることから、需給バランスがおかしくなってしまったらしいです。

私が買った当時はまだやや高く品薄気味でしたが、それでも普通に買えました。今年自分が体験した時間の面白さを考えれば本当に良い時に買ったと満足しています。

おまけ

LLMなどを早い段階で試していくために必然的にLinuxPythonについて勉強せざるを得なくなり、何も知らないど素人から日曜プログラマー程度までランクアップしました。GPUに大枚叩いてしまったプレッシャーが駆り立てたのかもしれません。

 

ten-meteor.hatenablog.com

次点: ASUS ROG Ally

これも非常に良い買い物でした。

Allyがもたらしたもの

デスクトップPCでゲームをすることがほとんどなくなりました。

私はほぼRPGしかやらないのでFPSのようなシビアな操作を要求することがなく、Allyで99%のゲームは快適にプレイできてしまいます。音も良く、電力も食わず、非常に良いです。

Steam Deckも持っており、あちらの方が操作性や電池持ちなど良い点も多いですが、Windowsゆえの利用可能タイトルの多さによってAllyを使っていることが多かったです(特に原神や崩壊スターレイルはSteam Deck不可)。

ランク外: Apple iPhone 15 Pro Max

価格に見合う素晴らしい完成度のスマートフォンだと思っていますし、ほとんど不満はありません。強化されたメインカメラや望遠性能も期待に沿うものでした。

しかし、生活は変わらないし、新たな体験ができるわけでもないのでこれまでの延長線上に過ぎません。

OMEN 40Lの原形が残ってない話

updated 2024/01/26

2022/06にOMEN 40L(RTX3080)を買ったものの、1年経過した現在、既に原形が残っていない。

この記事は決して元の構成が悪いとか、改造を推奨するとかを意図していません。ただ自己満足を進めていった愚かな記録です。

元の構成

   
CPU Intel Core i7-12700K
CPU cooler OMEN 120mm AIO
RAM Kingston Fury DDR4-3733 16GB x2
MB HP Blizzard OC Z690
SSD WD Black SN810 PCIe4x4 1TB
GPU NVIDIA RTX3080 10GB
PSU Cooler Master 850W
Case OMEN 40L
Fans front x2, rear x1

今の構成

   
CPU Intel Core i7-12700K
CPU cooler Deepcool AK-400
RAM Kingston Fury DDR4-3733 16GB x2 + crucial DDR4-3200 32GB x2
MB ASUS TUF Gaming H670 Plus WiFi D4
SSD C: Hiksemi Future PCIe 4x4 2TB
SSD D: Samsung 980Pro PCIe 4x4 2TB
SSD N/A
SSD E: WD Black SN810 PCIe4x4 1TB
SSD N/A
SSD H: Samsung 870Evo SATA 4TB
GPU Gainward Phantom NVIDIA RTX4090 24GB
PSU Corsair RM1000x
Case OMEN 40L
Fans front x2, rear x1, top x2

交換した理由とか困ったこととか

大規模言語モデル(LLMs)と画像生成AI Stable Diffusionを動かしたいがためにどんどん改造されていきました。

電源ユニット: Corsair RM1000x

OMEN 40L付属のPSUはPCIe補助電源が8pin x2しかないため、TGP350W以上のモデルは基本的に動かせません。

RTX4090のためにCorsair RM1000xに交換。Corsairは旧モデルでも使える12VHPWR-2x PCIe 8pinケーブルを売っているため、RM1000xはATX 3.0ネイティブ対応ではないが全く問題なく使用可能です。買いました。

ただし、標準装備の850W電源よりも大きいため、配線がやや厳しくなります。

RTX4090の最大が450-480W程度、i7-12700Kの最大が200W程度であるため、もし万が一両方に最大負荷をかけたとしても800W程度までで、850Wくらいの容量があれば動くはずです。実態としてはRTX4090にPL=360W、i7-12700KにPL=160Wをかけている上に両方が同時に100%になることはないため、500W以下で動くことが多いです。

それではなぜ1000Wを買ったのかというと、RM850xが売り切れていたからです。

CPUクーラー: Deepcool AK400

付属の120mm簡易水冷とAK400にそれほど大きな冷却性能の差はないです。どちらも150W前後までは比較的静かで問題なく運用可能。それでも空冷にしたのはポンプ音がしなくなってより静かになるから。

Power Limitを160W設定。Raptor LakeやZen4のほうがマルチスレッド性能や電圧特性は格段に優秀なため、OCしたり低電圧化したりを頑張るよりもCPUを買い替えたほうが効率的にも静音性的にも良いでしょう。自分の用途では電力制限したi7-12700Kで99%の用途で足りているので続投です。

ちなみにOMEN 40Lのケースは上部スペースがなさすぎて水冷は前面に240mmしかつきません。また、水冷化すると大型GPUラジエータが干渉するリスクが大きいです。

マザーボード: ASUS TUF H670 Pro WiFi

HP Blizzard OC Z690マザーはBIOSが不自由すぎるのと、自分の用途(大規模言語モデル: LLMs)的にm.2 x2では足りなかったので交換しました。MB交換は配線全部やり直し&OSライセンスも切れるため特に面倒です。パーツ交換の中でも特におすすめしない。愚か。

MB上のヘッダの位置的に、電源スイッチが届かないので延長ケーブルが必要でした。また、もともと背面についていたLEDコントローラも使えないため、OMENロゴを光らせることができなくなります。

ASUS TUF H670-Plusはm.2 x4のMBの中では最安クラスでした。上述の通り今更i7-12700KをOCしても旨味が少ないため、OC不可なH670でも困ることはほとんどないです。

GPU: Gainward Phantom NVIDIA RTX4090 24GB

LLMなどの生成AIを動かす上でVRAM10GBは足りないため交換。

OMEN 40Lにはケースに固定するサポートステイが付属してますが、初期搭載グラボにぴったりサイズで作られているのでグラフィックボードを交換すると使えなくなります。適切なものを買いましょう。

また、RTX4080/4090は極めて大きいため、ボードの高さ方向(ケースの横幅)がギリギリになります。Gainward Phantom RTX4090だと付属の電源変換ケーブルを噛ませているとサイドパネルがギリギリで閉まるか閉まらないかくらい。無理に閉めるとコネクタに負荷がかかりそうなので、ケーブルが細く曲げやすい12VHPWRケーブルを直に繋ぐほうがテンションがかからなくて良いと思って買いました。

HP Blizzard OCマザーボードの場合、3.5スロット占有のRTX4080/4090をつけると物理的干渉で空きPCIeスロットが使用不能になる上に、4つあるSATAコネクタのうち上側2つも使用不能になるため注意。

PL=360Wとしていますが、クロック推移を見るに450Wの時からの性能低下は10%以内と思われます。Stable Diffusionで全開にしたときにPL=360Wでは2500MHz前後、PL=450Wでは2730MHz前後でした。

llama.cpp, AutoGPTQなどのLLM推論用途ではメモリ帯域が律速になっている場合が多く、そもそもPLまで達しません。そのため、推論速度はメモリ帯域が同じであるRTX3090Tiと近いだろうなと想像します(もちろん、消費電力やメモリ温度は圧倒的に低くなります)。

メモリ: JEDEC 3200MHz 96GB

LLMのモデル変換などに膨大なメモリを要求されるため追加。合計96GB。これでも恒常的に足りていない。

64GBのOCモデルは高すぎるし、4枚ではOC不安定と思われるため安定安心のJEDEC準拠3200MT/s。

因みにOMEN付属のマザーボードだと手動でパラメータを設定しない限り4枚だと2966MT/sになります。

DDR5で256GBが達成できるようになったら環境移行したい。

ストレージ

マザーボードの交換によってm.2 x4になったので大量に増設ができるようになりました。

LLMsは量子化しても一つ一つが数十GB単位な上に雨後の筍のように新しいものが出てくるためTB単位で容量を食います。使用時に大データの読み出しが必要になるだけでなく、使用頻度が落ちたモデルをアーカイブしたり、96GBでもメモリが足りなくてスワップに頼ったりとSSDの性能への依存度が一般的な使い方よりもずっと高いです。

消えたら困るデータは信頼のSamsung SSDたちに担ってもらって、一番性能が生きるCドライブにHiksemi Futureを起用。今のところ元気です。

ファン

気分的に追加。たぶん初期の3つでもなんとかなる*。

PL=360Wにしている限り、RTX4090の温度はRTX3080よりも低いです。AIなどの高負荷時には確かに上限まで行きますが、負荷が下がった瞬間に消費電力も下がるので平均するとRTX3080よりも電気を食いません(Ampareは低負荷でも消費電力が高い)。

*追記:CFDの練習でPCケース内の気流を概算してみたことがありますが、天面前方と前面上方のファンは短絡してケース内の気流にほとんど寄与しないため、前面設置の簡易水冷以外では、あってもなくてもそんなに変わりません。

2022年に買ったもの

2022年は個人的にはキーボードとパソコンがトピックだった。

世間の話題としてはロシアのウクライナ侵攻、世界的なインフレ、ドル高円安、マイニングの終焉、COVID規制の緩和、の年だったかなと思う。

ベストバイ:OMEN 40L (i7-12700K+RTX3080 10GB)

2022/06にボーナスで気を大きくして買ったデスクトップPC。約26万円で購入した。新型CPU/GPU(Intel Raptor Lake, AMD Zen4, NVIDIA Ada Lovelace, AMD RDNA3)の発売があったものの、円安の進行で旧世代がこの時よりも安くなっていないので、どうせ変わらないならいい時に買ったのではないかと思っている。

買った当初は完全にオーバースペックのつもりだったものの、ライザのアトリエ2の4K(理不尽に重い)、MSFS、Davinci Resolveの手ぶれ補正、Stable Diffusion(VRAM要求が高い)など、GPU性能があるからこそできる使い方に挑戦できたので可能性という意味でも良い投資だった。

大概のゲームは4Kで遊べるのでまだ数年は楽しく遊べそう。

2nd:Galaxy Z Fold3 5G

2022/09に大幅値引きされて買ったFold3。元値24万円のところが約15万円に割引されたが、2年後返却で9万円ほど免除されるため、2年間6万円という破格だった。

常にメインスマホiPhone 13 Pro Maxを持ち歩いているために、2台目にはスマホ2台目よりもスマホ+タブレットの組み合わせになれるFoldが刺さったというのが実際のところ。単体で見るとでかい・重い・バッテリー持たない・性能足りない上に高価なデバイスなので、どうやって使うか次第で評価は変わるかもしれない。自分は気に入っている。

こいつのせいでiPad Proの出番が減った。

3rd:Keychron Q2

Q2というか、カスタムキーボード全般が2022年の新しい発見だった。その中で最初に買ったのがKeychron Q2。

カスタムキーボードも自作キーボードも全く知らない状態で手探りだったので、非常に学びの多いキーボードだった。キーボードの物理的な構造やスイッチ交換、QMK/VIAによるリマップなどを最初に学んだのがこいつだった。その後沼に落ちた。

2台買った上にまだ両方とも稼働中。普通にコスパの良いカスタムキーボードだと思う。

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買ったけどイマイチだったものたち

Apple Magic Keyboard for iPad

Apple純正のiPad用キーボード+トラックパッド

iPadをラップトップ的に使うのであれば必須とも言えるアクセサリーで、これ自体は良いものだと思う。が、やっぱり重いのと、そんなにコストをかけてまでiPadをラップトップとして使うこと自体に意味があるのか(=なら最初からラップトップで良いのではないか)という問いへの答えがない気がする。

Galaxy Z Fold3によってiPadの肩身が狭いのもややマイナス。

YMDK Wings V2

中国YMDKのAlice layoutのカスタムキーボード。

よくレビューを読めばわかるが、単体だと反響音が酷すぎるので、別売りの吸音フォームの上下セットを買わないといけない…が買わなかったので、自分で隙間を詰めたもののやや使いにくい。見た目は良いので時々使う。

AliだとFancy Aliceがアクリル積層ガスケットマウントで安いのでこっちでいいんじゃないかという感じはする。

Gateron Black Ink v2スイッチ

Gateronの高級スイッチシリーズInkの重めリニアスイッチ。イマイチと言いながらもPreonicに使っている。

単にコストパフォーマンスの問題で、非常に高価な割にそこまで感動するものでもなく、しかももろい。スイッチの好みは使ってみないとわからないものとはいえ、個人的にはGateron Oil King、Durock POM Pianoで満足しているのでもうBlack Inkは買わなくなりそう。

Epomaker GK61XS

安い無線60%キーボード。ものは想像通りだったが、使い道がなかった。なぜ買ったのか謎。

Epos H6 Pro

SennheiserのゲーミングブランドであるEPOSのハイエンド有線ヘッドセット。

音は良い。白を買ったためにイヤーパッドが汚れる。メッシュ素材なので拭いても落ちない。黒にすればよかった。

2022年買ったガジェットたち

  • OMEN by HP 40L (i7-12700K, RTX3080 10GB)
  • Apple MacBook Air 2020
  • Steam Deck
  • Razer Core X
  • NVIDIA GeForce RTX3060 ELSA S.A.C
  • Samsung SSD 980 1TB
  • SK hynix SSD Gold P31 1TB
  • KIOXIA SSD EXELIA G2 1TB
  • SP SSD A55 1TB
  • Bluetti EB3A
  • Keychron Q2 x2
  • Drop+OLKB Preonic
  • Drop+OLKB Planck
  • YMDK Wings v2
  • Epomaker GK61XS
  • Meletrix Zoom65 Essential Edition
  • Cerakey Full-set keycaps Crazed
  • Apple Magic Keyboard for iPad
  • EPOS H6 Pro + GSX300
  • Samsung Galaxy Z Fold3 5G
  • Buffalo WiFi AX4 Extender
  • XBOX wireless controller
  • Brother P-Touch cube
  • DaVinci Resolve Studio